片鼻呼吸法

片鼻呼吸法 ヨガのポーズ・テクニック

片鼻呼吸法とは

片鼻呼吸法は、片方ずつ左右交互に息を吸う・吐くを繰り返します。ヨガでは、ナディーショーダナと呼ばれています。ナディーとはプラーナという生命エネルギーが流れる通り道のこと、ショーダナは浄化という意味を表します。片鼻呼吸法は呼吸法でもあり、浄化法でもあります。

私たちの身体には72,000本ものナディーがあり、プラーナを全身に届ける役割をしています。中でも特に大切なナディーは、イダー・ナディー、ピンガラ・ナディー、スシュムナー・ナディーの3つです。

片鼻呼吸法はポーズを行う前の準備として、左右(陰陽)の身体のバランスを整える目的で行われます。左右の鼻で交互に呼吸を行うことで、自律神経のバランスを整える効果があります。右鼻で呼吸することで交感神経を活性化させ、左脳が刺激され、左鼻で呼吸すると副交感神経が活性化され、右脳が刺激されます。左右の鼻で交互に呼吸を行うことで、自律神経のバランスを整える効果があり、この呼吸法を行った後は鼻の通りがスッキリします。

片鼻呼吸法の目的

スシュムナー・ナディーとは、尾てい骨から背骨に沿って頭頂部まで流れているナディーのことです。脊髄の中心を流れ、中枢神経と関連しています。

スシュムナー・ナディーの左側を通るのがイダー・ナディーです。女性的なエネルギーを象徴して、芸術性や創造性を司り右脳からの情報を伝達します。陰のエネルギー、月のエネルギーとも言われ、安らぎやリラックスなど副交感神経と深い関わりがあります。

スシュムナー・ナディーの右側を通るのがピンガラ・ナディーです。男性的なエネルギーを象徴して、理性を司り左脳からの情報を伝達します。陽のエネルギー、太陽のエネルギーとも言われ、緊張や活動など交感神経と深い関わりがあります。

ヨガでは、左右のエネルギーバランスを保つことはとても大切です。男性性と女性性、太陽と月、陽と陰など片鼻呼吸法はポーズを行う前の準備として左右の身体のバランスを整える目的で行われることが多いです。左右のバランスが崩れていると、疲れが取れにくくなったり、疲れているのに頭が休まらない、やる気が出ないなど不調の原因になります。ナディーショーダナは、プラーナの流れのバランスを整えることで心と身体を結び、快適な状態へと導きます。

片鼻呼吸法の効果

浄化作用

ナディーが詰まると、プラーナの流れが滞り、健康状態が悪くなると言われています。イライラしたり、ネガティブな考えにとらわれやすくなるなど精神状態にも影響を与えます。プラーナの流れがスムーズに全身に流れているときは、心身共にイキイキとして健康を感じることができます。片鼻呼吸法は、プラーナを体内に取り込むだけではなく、その流れの詰まりを浄化する効果があります。片鼻呼吸法を行った後は鼻の通りが良くなり、スッキリとした気分になります。鼻が詰まっている時や花粉症の方にもオススメです。

自律神経のバランスを整える

片鼻ずつ呼吸を行うことでイダーとピンガラのバランスが整い、自律神経のバランスを整える効果があります。鼻から息を吸う時は交感神経を刺激して身体を温め、脳を活動状態に切り替えます。反対に、鼻から息を吐く時は副交感神経を刺激して、心を落ち着かせリラックスモードになります。日常生活では交感神経が優位になりやすく、常に緊張している状態が続いています。片鼻呼吸法で副交感神経を刺激することで自律神経のバランスが整い、ストレス解消や健康的な身体に繋がります。ストレスが溜まっている時や、仕事で休む暇がないという方にも効果的です。

免疫力向上

通常、ヨガの呼吸は鼻呼吸で行います。鼻呼吸をすると、口呼吸よりも深い呼吸が行いやすくなるためです。また、鼻の中には粘膜や鼻毛がありますが、鼻から息を吸い込んだときに粘膜や鼻毛がフィルターの役割を果たして、ウイルスや細菌、ホコリなどが体内に侵入するのを防ぎます。口呼吸を行うと口の中が乾燥したり、ウイルスや細菌が体内に侵入したり、口の中の細菌が増殖してしまいますが、鼻呼吸を行うことで口内で起きるトラブルの発生を防止して免疫力を向上させます。

片鼻呼吸法のやり方

  1. あぐらや正座など、楽な座り方で座ります。
  2. 右手の人差し指と中指を折り曲げるヴィシュヌムドラー(ヴィシュヌ=遍く行き渡る、ムドラー=手印)または、右手の人差し指と中指を眉間に添えます。左手は親指と人差し指で輪っかを作ってチンムドラー(智慧の印)を結びます。
  3. 親指で右鼻を押さえ、左鼻から一度息を吐き切ってから息を吸います。薬指で左鼻を押さえて少し息を止めてから親指を離して右鼻で息を吐きます。
  4. 右鼻から吸って、親指で右鼻を押さえ、少し息を止めてから薬指を離して左鼻から吐きます。

③〜④を10〜20回(1セット)繰り返しましょう。
初めは吸う息:止める息:吐く息を4秒:16秒:8秒のペースで1セット行います。
慣れてきたら2セット、3セットと回数を重ねます。

片鼻呼吸法のポイント

  • 背中が丸くならないように、正しい姿勢で行いましょう。
  • 呼吸法に慣れてきたら、吸う息:止める息:吐く息のペースを早めて、2:8:4で行いましょう。ペースが早くなっても呼吸が浅くならないように、しっかり吸い切って吐き切りましょう。
  • 無意識のうちに目の奥や眉間に力が入ったり、奥歯をグッと噛み締めてしまいがちです。リラックスしましょう。
  • 鼻水などが出てきたら、鼻をかみましょう。出てきたものは身体にとって不要物です。体内に戻さないように、デトックスしましょう。

まとめ

呼吸法でもあり浄化法でもある片鼻呼吸法は、手順が多く複雑に感じるかもしれませんが、慣れると誰でも簡単に行うことができます。ポーズをとることよりも時間がかからず、場所もとらないので気軽に行えるのも嬉しいですね。ヨガインストラクターはポーズだけでなく呼吸法の指導も行っているので、正しい呼吸法を学びたい方はお近くのヨガスタジオでレッスンを受けてみてはいかがでしょうか。スッキリとした感覚をぜひ味わってみてください♪